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ラスクおじさん♪のはらぺこ日記♪

先生とはやっぱり呼ばれたくないな。

2017/07/19 16:34 晩ごはん お酒・おつまみ 子ども くらし

  先日、馴染みの中華屋に飲みにいきました。私が席につくなり、店のおばさんが「あら、先生、ずいぶんお痩せになりましたね」と声をかけてきました。1週間前にも来ているのに、そんなに痩せちゃったかなと不思議な気分でした。それよりも、「先生」と声をかけられたのには驚きました。確かに、私は仕事上、「先生」と呼ばれることは珍しくありません。もっとも私自身、子ども達から「先生」と呼ばれるのが嫌だから、ニックネームで呼んでもらっています。それにしても、店のおばさんに自分の職業を教えた覚えがないのです。もちろん、お酒を飲んだ翌日、記憶が途切れ途切れなこともよくあるので、きっと何かの拍子にぽろっと言っちゃったのかなと思っていました。

 気持ちよく蒸し鶏のねぎ塩だれを肴に飲んでいると、突然、店内でおじさんが、数人のグループで飲んでいた大学生風の男の子に向かって、「お前、表へ出ろ」と怒鳴り始めました。しかし、男の子はおじさんの求めに応じようとはしません。おじさんはさらに激昂します。

 「先生、いいんですか?ほっといて…」

 店のおばさんが、私の耳元でそっと囁きます。なんで私に言うんだ?そりゃね、仕事上、子ども同士の喧嘩の仲裁に入ることはありますよ。けど、なんのかかわりもないおじさんと男の子の酒の席でのトラブルにプライベートの私が仲裁に入らなければならないの?私は、「いいんです」と答えました。しかし、気になって気になって仕方がありません。気になるのはおじさんと男の子の応酬と、店のおばさんの私に対する視線です。応酬といっても、「いいから、表へ出ろって言ってんだろ」「なんで、出なきゃなんないんですか」の平行線。早く収束してくれないかなぁと思っていたら、とうとう二人は表に出て行ってしまいました。

 「先生、表に出て行っちゃいましたよ。いいんですか?」

 再び、おばさんの囁きが…。さっきより、語気が強い気がします。だからぁ~、なんで私なのよ…。私は仕事上、子ども達のトラブルにはかかわっても、見ず知らずの酔っ払いの大人のトラブルにまで積極的にかかわる責務はないのになぁ…。私は困惑しました。しかし、このままだとおばさんの冷たい視線がさらに氷点下になりそうなので、仕方なく私も表に出ました。おじさんと男の子は店の隣の公園で対峙していました。私は、二人を見守りました。しばらくすると心配して出てきていた店のおじさんが、大丈夫だから店に戻ってくださいと言うので、店に戻りました。

 「先生、教え子さん、大丈夫ですか?」

 おばさんが、心配そうに聞いてきます。教え子?ああ、そういうことか。私は、はたと気づきました。中華屋の目の前に大学病院があるので、よく大学病院の先生や学生が飲みにきたり食べにきたりするのです。お店のおばさんは、私を大学の教師だと勘違いしていたのです。

 「あの、僕は○○大学の先生じゃないんですけど…」

 私がそういうと、

 「あら、そうだったんですね。似たような先生がいてね。すっかり痩せたなと思っていたんだけど、ああ、そうだったのね。ごめんなさい。あはははは」

 とおばさんは高笑い。あのね…。おばさんの勘違いのせいで私は…。

 その後、和解が成立したらしく二人は再び店に戻ってきました。おじさんは、満面の笑顔で男の子のグループに酒や肴を振る舞い、とっても楽しそうに過ごしていました。

 「あの~、先ほど、仲裁に入ってくださったそうですね。ありがとうございました。」

 男の子のグループにいた若い女性が私に言ってくれました。ちょっと救われた思いをしつつ、店のおばさんの囁きを迷惑に感じたり、表に出ただけで何もしてなかった自分を振り返ると恥ずかしい気持ちになりました。同時に、やっぱり、私は「先生」と呼ばれたくないなと強く思いました。





 

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